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薬害エイズとは

1980年代初め、血友病などの血液凝固因子異常症の患者がHIV(ヒト免疫不全ウイルス)の混入されていた輸入非加熱血液凝固因子製剤を投与され、HIVに感染した薬害被害のことです。
当時多くの患者にHIV感染が告知されていなかったため、妻や子供への二次・三次感染も引き起こしました。日本の薬害エイズ被害患者は1,433名、約40年が経過し既に半数が亡くなり、生存者数は691名と報告されています(令和五年度血液凝固異常症全国調査より)。
1990年代はエイズ発症による死亡が多くみられましたが、それ以降、HIV/HCV重複感染による肝硬変や肝がんの死亡が多い中、近年、生活習慣病の合併、頭蓋内出血例がみられています。

和解の成立

1989年、東京/大阪HIV訴訟原告団と弁護団は、東京と大阪の地方裁判所に旧厚生省と製薬企業5社に対し被害の責任を問い提訴し、1996年3月29日に和解が成立しました。
後に厚生労働省では、薬害エイズ事件の反省から、医薬品による悲惨な被害を発生させることのないように、その決意を銘記した「誓いの碑」を厚生労働省の正面玄関前に設置しました。

誓いの碑

命の尊さを心に刻み込みサリドマイド、スモン、HIVのような医薬品による悲惨な被害を再び発生させることのないよう医薬品の安全性・有効性の確保に最善の努力を重ねていくことをここに銘記する
千数百名もの感染被害者を出した「薬害エイズ」事件 このような事件の発生を反省しこの碑を建立した 平成11年 厚生省

薬害エイズ裁判 和解記念集会

和解記念集会は、薬害エイズ被害について再認識し、決してこれを風化させないことを目的としています。
原告団・弁護団により毎年3月に開催され、患者家族、ご遺族の他、厚生労働省や製薬企業、医療機関、一般の人々が献花を行っています。

薬害エイズ被害者支援団体

社会福祉法人はばたき福祉事業団

東京HIV訴訟和解成立後、薬害エイズ被害者の救済事業を被害者自らが推進していくことを目的に、1997(平成9)年4月1日に任意財団として設立され、2006(平成18年)年8月28日には、厚生労働省より社会福祉法人として認可を受けました。第2種社会福祉法人として、HIV感染者や血友病患者等の身体障害者の更生相談事業や感染者の遺族に対する相談・支援や調査研究、教育啓発等の公益事業活動を実施しています。

日本のHIV医療体制

「エイズ治療の拠点病院の整備について」(平成5年7月28日付け健医発825号 厚生省保健医療局長通知)に基き、国内のHIV医療体制が整備され、エイズ治療拠点病院間のネットワークが形成されています。
● 地方8ブロックにある「ブロック拠点病院」14施設
● 全国にある「拠点病院」380 施設
● 各都道府県を代表とする「中核拠点病院」59施設

全国の拠点病院の連絡先は、厚生労働行政推進調査事業費補助金エイズ対策政策研究事業「HIV感染症の医療体制の整備に関する研究」班が運営している拠点病院診療案内からご確認ください。