肝炎関連情報
非加熱凝固因子製剤によりHIVに感染した血液凝固異常症(血友病及び類縁疾患)の患者さんの多くが、C型肝炎ウィルス(HCV)にも重複感染しています。
HIVとHCVが重複して感染すると、HCV単独感染の場合よりも早く肝臓の線維化が進行します。肝臓の障害は自覚症状が乏しいことが多いため、ご本人が知らない間に肝硬変へと進展することがあります。C型肝炎の治療は近年劇的に進歩しており、2015年以降インターフェロンを含まないDAA薬の登場により高い確率でHCVを排除することが可能となりました。しかし、治療によりHCVを排除出来た場合でも肝機能が必ず回復するとは限らず、数年以上経過して発癌する可能性があり、定期的な経過観察がとても重要です。
ACC救済医療室では、治療検診の枠組みの中で患者さんの肝臓の状態を検査し、消化器内科医と共に最適な治療法のご提案を行っています。遠方の方または検査内容によっては、入院や複数回来院していただく場合もあります。
血液製剤によるHIV/HCV重複感染患者に対する外科治療の標準化に関する研究班
令和3-5年度の「血液製剤によるHIV/HCV重複感染患者に対する外科治療の標準化に関する研究」班では、全国のHIV/HCV重複感染患者さんに対する肝移植の適応評価、脳死肝移植登録、脳死ランクアップポイントの妥当性検証、肝移植手術の支援に加えて外科診療ガイドライン(血友病・HIV/HCV 重複感染患者に対する外科診療ガイド 2024:PDF8.65MB)を発刊しました。各ブロック拠点病院との連携・オンライン面談の推進に尽力されています。
肝臓の硬さはAST、ALT、血小板数、年齢より算出されます。数値の高い方は肝臓が硬く、肝硬変である可能性があります。同研究班では、肝臓の硬さの判別式(FIB-4)を用いて、患者さんがご自分で肝臓の硬さをチェックできるウェブサイト(名称:FIB-4 index計算サイト)を運営されています。(FIB-4 indexのご案内:PDF1.794KB)
みんなで乗り越えるHIV感染血友病等患者のがん 情報サイト
みんなで乗り越えるHIV感染血友病等患者のがん 情報サイトでは、血液凝固因子製剤等によりHIVに感染された方へや医療機関を対象に、がんの早期発見等の啓蒙を行っています。
厚生労働行政推進調査事業エイズ対策政策研究事業「非加熱血液凝固因子製剤によるHIV感染者に合併する悪性腫瘍の制御を目指した研究」班(主任研究者:四柳宏)