国の法令・倫理指針等に基づき、ACCで現在行われている臨床研究のうち、特に薬害HIV感染血友病等患者さんへお知らせすべき臨床研究に関する情報を掲載致します。
進行中の臨床研究
更新日:2025年3月18日
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国内流行HIV及びその薬剤耐性株の長期的動向把握に関する研究
研究の概要
HIV薬剤耐性検査はHIVが抗HIV薬に対して抵抗性があるかを調べる検査で、抗HIV薬開始前や抗HIV薬でもウイルスを十分抑制できない場合などに検査し、適切な抗HIV薬選択に役立てています。HIV遺伝子配列を解析することにより、薬剤耐性の有無を調べることができます。本研究はHIV遺伝子配列を全国規模でまとめ、我が国における薬剤耐性HIVの動向と推移を把握すること、および、HIVの詳細なウイルス遺伝子配列を調べ、どのようにウイルスが流行し伝播しているか(分子疫学研究)を調べることを目的としています。
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血友病HIV感染者に対する癌スクリーニングに関する研究
研究の概要
HIV治療の進歩により、HIV感染者の予後は劇的に改善しています。一方、HIV感染者の加齢に伴う合併症、特にエイズに関連しない悪性腫瘍が大きな問題となっています。
本研究は、薬害HIV血友病等患者さんに対して、癌を早期に発見し、全国どこの施設でも実施可能な癌スクリーニングの方法を確立することを目的とした臨床研究です。 2016年から2018年までに実施された第1期目の研究結果は、添付の図の通りでした。現在2019年から第2期目の癌スクリーニング研究を実施中です。参加を希望される患者さんは、救済医療室へご相談ください。 -
薬害エイズ血友病における虚血性心疾患スクリーニングの確立 (Hem-IHD)
研究の概要
この研究は、血友病の中でも薬害HIV感染血友病等患者の生命を脅かす虚血性心疾患の有病率を明らかにすることを目的としています。虚血性心疾患と危険因子(年齢、高血圧、糖尿病、喫煙、悪玉コレステロールなど)の相関関係を明らかにして、心筋梗塞になる前に虚血性心疾患を予防したいと考えています。研究自体は2019年度で組み入れを終了していますが、希望者は現在も同じ検査を受けることが可能です。救済医療室へご相談ください。
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HIV感染症におけるHLAと病態進行の関連に関する研究
研究の概要
ACCではHLAとHIV感染症の病気の進行の関連を調べる研究を行っています。HLA、HIVに対する免疫反応、HIVの変化、そして病気の進行を多面的に調べています。これらの関係とHIV感染症の進行のメカニズムを明らかにし、新たな治療法やワクチンの開発に役立てたいと考えています。
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血液凝固異常症全国調査
研究の概要
日本における血液凝固異常症の病態を把握し、その治療の向上と生活の質の向上に寄与することを目的として行われる調査です。調査は全国の血液凝固異常症の患者さん全例を対象に行われ、この集計結果に基づいて公的予算や治療環境の整備が行われています。
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HIV 感染症高齢患者の現状と療養支援課題に関する観察研究
研究の概要
HIV感染症高齢患者の身体的、精神的、社会的実態から、HIV感染症高齢患者の療養支援課題を明らかにすることを目的とした研究です。
ACCでは、上記にお示しした以外にも多くの研究を行っております。より詳しい情報については、以下をご覧ください。